私立学校の事務職員を目指す人にとって、採用選考は乗り越えなければならない壁です。
その中でも特に「面接」は内定獲得のために非常に重要なステップといえます。
面接に進むための書類選考対策(履歴書や職務経歴書)も大事ですが、結局のところ面接でのパフォーマンスが内定を左右するファクターといえるでしょう。しかし、「面接対策は必要なのか?志望動機さえしっかり準備しておけば何とかなるのでは」と思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、現役の学校事務職員の視点から、面接対策の必要性とどんな対策をすべきかについてお答えします。
【結論】学校事務職員の内定を獲得するために面接対策は必要か
結論から言うと、人前で話すことが得意だったり、自己分析や学校分析ができていて、しっかりと考えや意見を伝えられる人であれば面接対策をする必要はありません。
しかし、実際に学校事務として働いている私は、学校側として応募者との面接に立ち会うことがあるのですが、緊張して受け答えがたどたどしかったり、丸暗記したような回答を行ったり、こちらの求めている人物像とミスマッチな回答をしたりと、最低限の面接対策をせず、選考に臨んでいる応募者が非常に多いと感じています。
いかに書類選考で見栄えのする顔写真や経歴で着飾ったとしても、面接では自身の立ち振る舞いや表情、咄嗟の受け答えなど生の姿がハッキリ見えてしまうため、面接によって評価が良い方にも悪い方にも大きく振れる可能性があります。
そのため、内定獲得の確率を少しでも上げるために、最低限の面接対策を行うことは欠かすことのできないプロセスと言えるでしょう。
面接対策とは具体的に何をするべきか
では、面接対策とは具体的にどのようなことをやれば良いのか。
以下のような項目を整理して面接に臨むと、想定外の質問を受けたとしてもスムーズな受け答えができるようになるでしょう。
①応募する学校および求人職種を分析する
学校・職種分析は、説得力のある発言や質問への的確な回答をするための重要な基盤であり、また実際に働くにあたって学校(職場)の雰囲気や文化、価値観、労働条件が合うのか確認するためにも必要です。
学校側からすると、ちゃんと学校や仕事内容を理解したうえで応募してきているのか、その人に適性はあるのか、という点を見定める材料になりえます。
これらの点から、以下の問いを整理することで、上手な回答をすることができたり、自身が働いたときのイメージがつきやすいと思います。
・その学校は他の学校と比べてどんな特色・強みがあるか。
・どんな職種を募集し、どんな仕事内容であるか。(逆算してどんな人材を求めているのか)
・求人職種や求めている人材から自身のスキルや経験との共通項はあるか。
・(分かる範囲で)給料や賞与、福利厚生、休暇、残業時間はどのようなものか。
あまり面接で答える機会はないかもしれませんが、更に一歩進んで学校分析を深めるなら、学校HPに学校経営計画を載せていたら、その学校がどのようなビジョンを掲げ、どんな目標や計画を立て、実現のためにどんな課題があるか、といった経営に関わる部分まで理解すると、解像度の高い学校分析や刺さる逆質問ができるようになることでしょう。
②自己分析とキャリアプランを整理する
自己分析とキャリアプランの整理は、自分はどんな人間で、どんな人生を描きたいのか、という自身の根源的な部分と向き合うと同時に、学校側に自分自身を知ってもらい、一緒に働きたいと思わせるためにどのようなエピソードや表現で伝えるかという材料となります。
ぶっつけ本番で面接に臨むと、短所や失敗談、特徴がない所などをうまくプラスに変換できなかったり、自身を表現するための具体的なエピソードが思い浮かばなかったりするので、事前に以下のような項目を整理することをオススメします。
・どんな趣味があったり、最近ハマっていることがあるのか。
・どんな価値観を大事にしているのか。(志望動機に繋がるような)
・5年後、10年後はどんな学校事務職員になっていたいのか。
・今までどんな成功体験、失敗体験があり、そこから得た学びは何か。
・前職ではどんなことをやっていたのか(学生時代はどのように過ごしていたのか)
・前職をやめるキッカケとなったのは何だったのか。
特に前職のある人であれば、学校側はなぜ退職や転職を決意したのか、とても気にします。
なぜならばその退職理由が自分の学校でも当てはまってしまうのでは?と勘ぐってしまうからです。そのため、納得感のある退職理由をどのように伝えるか準備しておくと良いでしょう。
③志望動機を明確化する
応募する学校に対する志望理由を具体的に整理し、なぜその学校で働きたいのかを明確にします。
これまでの①と②を整理したうえで、つながりのある志望理由が望ましいのですが、ここで気を付けなければならない点は、学校業界で働きたい理由、学校事務職員として働きたい理由、その学校だから働きたい理由をしっかりと整理することです。
例えば、「子供が好きだから」「教育活動に携わりたいから」は学校業界で働きたい理由であって、事務職員として、その学校で働きたい理由にはなりません(他の学校でも良いし、教師として働けば良いのでは?となる)
ただ、正直なところ多くの学校がある中のその学校の事務職員だから働きたい、という納得感ある志望理由を生み出すことはかなり難しいです。
だからといって薄い理解のまま「教育方針に共感して…」を使うと「ありがちな定型文を使ってきたな」と受け取られる可能性があるので、母校であるとか強力なエピソードがない限りは、転勤がない、腰を据えて働ける、生徒さんの様子が良い(褒める)など当り障りがない志望理由の方が実は安パイだったりすることもあります。
これらに明確な答えはありませんが、着飾りすぎた志望理由よりも等身大な志望理由の方が面接官に共感を与えやすいと感じています。
④基礎的な面接技術を体得する
本番を想定した面接シミュレーションもとても重要です。
いかに事前の自己分析や学校分析をしっかり行っていても、本番になって緊張して言いたいことが言えなかったり、早口になって落ち着きがないように見えたりするなど、本来の自分を発揮できなければとても勿体ないことです。
模擬面接や話した内容を録音するなどして、練習とフィードバックをしっかり行い、自然な受け答えができるよう準備しておきましょう。
⑤面接時のマナーと身だしなみをおさらいする
面接時の作法や身だしなみも相手に悪印象を与えないために重要です。
マナーや身だしなみは自分ではちゃんとやっているつもりでも、実際はマナー的に良くなかった、というケースもあり得ます。
流し読み程度で良いので面接のマナー本や面接対策サイトを覗いたり、知人や家族などに面接のシミュレーションを見てもらうなどして、客観的な意見や情報を取り入れると良いでしょう。
一人では不安な人は転職エージェントに頼るのもアリ
ここまでの内容を聞いてみて「面接に自信がなくなってきた…」という人はプロ(転職エージェント)に頼るのも手です。
なぜならば内定獲得へのメソッドは確実に素人よりも熟知しており、同じゴールを見据えた伴走者として内定までサポートしてくれるからです。
転職エージェントを利用すると以下のようなメリットがあります。
①本番を想定した面接練習ができる
一般的に一人で面接対策を行う場合は、ネット上で「面接でよくある質問集」を拾い、応募する学校に照らし合わせた回答例を用意して臨みます(インプット)。
しかし、練習する相手(アウトプット)がいないと、いざ本番で口にしてみたら違和感を感じたり、回答に対する更なるレスポンスに対応できなかったりすることがあります。
そのため、実際に人を相手にして面接練習することはとても重要ですが、プライベートなことなので家族や友人に頼みにくいこともあります。気軽に相談・アドバイスがもらえるプロがいることは心強いです。
②第三者視点で良し悪しをフィードバックしてくれる
書類選考に出す履歴書や職務経歴書、また面接対策についても、第三者視点で自分の良し悪しをフィードバックしてもらえる点も大きいです。自己評価では気づかないポイントを指摘してもらえることで、より的確な改善が可能となります。
特に面接対策については、回答に不適切な部分はなかったか、どういう回答にすればより良い印象を与えられるかなど、アドバイスをもらえることができます。
③転職エージェントの限定求人を紹介してもらえる
学校求人のなかにはエージェントを通してのみ募集しているところもあります。
エージェント経由の求人であれば、内定獲得に向け積極的なサポートもしてもらえますし、学校の内情や待遇面(給料や休みなど)をより詳しく知ることができます。
リクナビエージェントは面接対策や履歴書の添削などサービス充実
転職エージェントは様々な企業が行っておりますが、その中でも「リクナビエージェント」は、非公開学校求人を含めた豊富な求人数と、面接対策や履歴書の添削など充実した転職支援のサポートが受けられる、最大手人材企業の強みを持つことが特徴です。
エージェントを活用することで、自己分析や学校分析をはじめ、選考書類の準備や面接練習など内定に向けた準備を万全に整えることができます。
学校事務職員の選考においても、こうした専門的なサポートを受けることで、競争率の高いポジションで内定を勝ち取るチャンスが増えるでしょう。
まとめ
学校事務職員の採用選考を突破するためには、面接対策が不可欠です。
志望動機や自己分析、学校分析を徹底し、説得力のある受け答えができるよう準備することが内定の確率を大きく向上させます。
加えて、模擬面接や面接時のマナー確認など、実践的な練習も欠かせません。
一人で準備が難しい場合は転職エージェントの活用も有効で、プロの視点でフィードバックを受けるたり、エージェント限定の求人を紹介してもらえたりと、内定獲得の可能性を飛躍的に高めることができます。
入念な準備を通じて、自信を持って選考に臨み、学校事務職員としてのキャリアを築いていきましょう。