社会人の加入する社会保険と言えば厚生年金保険や健康保険が思い浮かびますが、私立学校で働く教職員は日本私立学校振興・共済事業団という団体が運営している「私学共済」に加入します。
実はこの私学共済は、日々の教育現場を支える教職員たちが安心して働けるよう、一般的な厚生年金・健康保険にはない充実した給付やサービスが特徴となっています。
この記事では、学校事務職員が加入できる「私学共済」の特徴と、そのメリットについて詳しく解説します。
私学共済とは?
「私学共済」は、私立学校に勤務する教職員や職員が加入するための共済制度です。文部科学省の管轄下にある私立学校の共済組合が運営を行っています。
一般企業で働く人は厚生年金保険、健康保険、雇用保険、労災保険に加入しますが、私立学校の教職員において厚生年金保険、健康保険に該当するのがこの私学共済です。
そのため、内容としては病気やケガした時の給付、出産時の給付、災害時の給付などがあります。
私学共済の大きな特徴・メリット
私学共済には、厚生年金保険や健康保険にはない給付やサービスがあることが特徴です。
ここでは私学共済加入の大きなメリット・特徴をご紹介します。
退職後の生活を支える手厚い年金給付
私学共済加入の大きなメリットとして「年金等給付(3階部分)」があります。
一般的にサラリーマンの年金は国民年金+厚生年金の2階建て、それに上乗せする形で企業年金や企業型確定拠出年金を行っている企業もありますが、それは大手など一部の優良企業に限られます。また、退職金も同様でしっかり出す企業もあれば、まったく出さない企業もあります。
しかし、私学共済は国民年金と厚生年金は同じですが、3階部分として積立方式の退職等年金給付(3階部分)が制度として整備されています。
この退職等年金給付は、終身退職年金と有期退職年金の2種類があり、終身は生涯にわたって公的年金+αで受給でき、有期は一時や10年単位など期間を選択して支給される退職金的な役割があります。
これにより私学で働く正教職員であれば、公的年金に上乗せする形で貴重な収入源を得ることができ、老後に安定した生活を送るための心強い支えとなります。
豊富な福利厚生サービス
私学共済のもう一つの特色として「福祉事業」があります。
これはよく企業で社食割引や保有施設割引など独自の福利厚生サービスを提供していたりしますが、私学教職員に対する福利厚生サービスはこの福祉事業が該当します。
内容としては本当に様々で、百貨店割引・レンタカー割引・公演入場券割引・スポーツ施設割引・旅行会社のパック旅行割引・直営医療施設の医療費負担が通常3割のところ1割になったり、1万円以上の入院室の差額ベッド代が3千円になったり、特別価格で人間ドックが受けられたり、契約している一般の宿泊施設で特別価格や2,000円割引券が使えたりと本当に様々な特典があります。
傷病手当金や出産手当金が2/3ではなく80%支給される
加入者が職務外の病気やケガ、または出産のために休業して報酬が減額または無給となった場合に健康保険では標準月額の2/3が支給されますが、私学共済ではなんと80%が支給されます。
そのため、例えば標準月額30万円の人が出産のため休業した場合、一般の会社員であれば月額20万円のところ、私学の教職員であれば24万円支給されます。
病気や出産による休業中は日々の生活費や思わぬ出費でお金が心配になりますが、8割も支給されれば安心して休業中の生活を送ることができます。
出産時だけでなく結婚時も給付がある
出産一時金は健康保険も制度としてありますが、私学共済では出産時だけでなく結婚時にも一時金が支給されます。また、出産時には、一時金のほかに出産祝い品としてお祝い品のカタログがもらえることもささやかですがありがたい贈り物です。
加入者向けの様々な貸付制度がある
私学共済には臨時の資金を必要とした場合の様々な低金利の貸付制度があります。
具体的には住宅貸付、教育貸付、医療・介護貸付、結婚貸付、一般貸付(マイカー購入など)がおおよそ年利1%強の金利で借りることが出来ます。また、団信も付けられるため、返済中に死亡や高度障害になった場合は返済が免除されます。
まとめ
「私学共済」は、私立学校で働く教職員や職員にとって、非常に手厚い保障とサービスが用意された共済制度です。
一般的な社会保険と比べて、退職後の安定を支える年金給付や豊富な福利厚生サービス、さらに傷病手当金や出産手当金の高い支給率など、多くのメリットが存在します。出産時だけでなく結婚時にも給付がある点や、低金利で利用できる貸付制度など、日々の生活を支えるためのサポートも充実しています。
これらの充実した制度があるからこそ、私立学校で働く教職員が安心して働き続けることができています。私学共済をしっかりと活用し、充実した働き方を実現しましょう。
限定求人多数!学校事務の求人を探すならリクナビNEXT

私立学校事務職員の求人を探すなら「リクナビNEXT」がオススメです。
有名大学・高校の事務職員の求人が多く掲載されていて、リクナビ限定求人もあります。
実際に転職した人の約8割がリクナビNEXTを利用しているとのことで、学校事務を目指すのであればとりあえず登録しておいて損はありません。
また、書類選考や面接に自信がない人は実績豊富なアドバイザーや転職サポートがついている「リクルートエージェント」も活用していきましょう。